| *裸の木* |
| 花曇の空に向かって 両手を差し出すように 裸んぼうの木々達が 枝を大きくひろげている 早く芽を出したいと あせっているのだろう 目立ちたがりの桜が あんなに輝いて 人の眼を楽しませているのに 俺たちには誰ひとり 眼もくれやしない そんなふうにいじけて 桜を横目でにらんでいるのだ ひと雨来るたびに 枝を力なく垂らして 木の芽ひとつも出せないでいる けれど 大地にピーンと張った 根っこから 枝の隅々にエネルギーを吸い上げ 今にも はちきれそうになっているはずだ 今に桜のやつを見返してやる そう思いながら 眼を出せる日を 辛抱強く待ち続けている |