*欅(けやき)*
窓から見える所に欅が二本
青々と葉を広げて風にそよいでいる
いつからそこに根を張っているのだろうか
たまには欅同士で語り合うのだろうか
冬の木枯らしを 夏の日照りを
いくたびか耐え忍び
刻まれた傷痕は轍のように深い
地面にどっしりと腰を据え
土の中に深く根を下ろし
命のエネルギーを絶え間なく吸い上げる
そのエネルギーは
がっしりとした幹を駆け登り
枝の隅々まで荒馬のように流れこむ
欅の葉は喜びを全身に表して
波立ちながら光る
このままいのちの輝きの
消える日が来ないかのように
まばゆい日々が
いつ果てるともなく続くかのように
しかし やがて冬は来る
春の光に包まれてうたた寝した日も
秋に色づいて衣替えした日も
何もかも、消し去ってしまう冬が
だから欅は今この時を精一杯楽しむ
決して悔いを残さない
二本の樹は豊かな青葉を思いきり伸ばして
喜びや悲しみを分け合いながら
これからもそこに並んで立っているのだろう
揺るがぬ意志で
自分らしくあり続けるために
窓から見える所に欅が二本
青々と葉を広げて風にそよいでいる