| *少年の日* |
| 公園にうず高く積み上げられた鴉の羽根 どこかで火の爆ぜる音がする 白い歩道 がらんどうの空 夏の陽射しが滑り台に反射して光る 風はそよとも吹かず 時間が止まったのようだ 少年は空を見上げる しかし その目には何も映ってはいない 鉛色の塊が視界を覆うばかりだ 心の奥底から脹れあがってくる 得体の知れない衝動 僕はどうしてここにいるのだろう 何のために生きているのだろう 幾度も自分に問いかける その答えはない 彼は足元に くらぐらと口をひらく深い闇を見た 果てしない恐怖が背中を這い上がってゆく 自分が他の誰かなら良かったのに 少年はそう呟いてみる これから僕は どこに走り出そうとしているのか 少年は再び空を見上げた さっきまでの鉛色の塊は今 真っ赤な炎をあげて 空一面を燃やし始めていた |