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このサイトができるまで(前編)

それは、ある一人の介助者との何気ない会話から始まった

「Word(Microsoft Word)でホームページが作れるよ」
「え?そうなの?」
数年前からWebサイト(ホームページ)を立ち上げたいと思いながらも、スクリーンリーダーの音声ガイドを頼りにパソコンを操作する私に、当時まともに使えるWeb作成ソフトはなく(※1)、 かと言ってサイトのソースファイルの書き方を勉強する時間もなく、このままではいつまで経ってもサイトを立ち上げられないと頭を抱えていました。
そんなある日、私の介助に入っていたK氏から、ワープロソフトのWordでも簡単にサイトの制作ができるという話を聞いたのでした。
「Wordだったら音声ガイドがきれいに対応するから普段仕事で使ってるし、それなら私にもできるんじゃないだろうか?」ということで、早速試してみることにしました。

まず適当にいくつかの原稿を書いて、文書中に他の文書へのリンクを設定し、それらをHTML形式で保存すると…やりました!
ファイルを開くとインターネットエクスプローラーが立ち上がって、さっきWordで書いた文書が見事に表示されました。
そして文書中のリンクをクリックすると、カチカチと小気味のいい音を立てて次々とページが切り替わるではありませんか。
うーん、なんて気持ちいいんでしょう。
まるでインターネットみたい(笑)。
実験成功、これでうまくいくぞ。

…と思ったのもつかの間、そこにはまた新たな壁が待っていました。

スクリーンショット
このサイトのソースファイル。一見するとまるで呪文か何かのようですね。
※1
Web作成ソフトとしてよく知られているホームページビルダーは、マウスを使って簡単に見栄えのいいページをデザインできるように作られていて、スクリーンリーダーの音声は一部の操作しかガイドしませんでした。いろいろ探してみましたが、その他のソフトも似たようなものでした。少数ながら視覚障害者向けに作られたソフトもありましたが、価格が高くて手が出ませんでした(涙)。

見やすいサイトを作りたい!

皆さんは普段どんなWebサイトにアクセスされていますか?
ニュースや天気などその時必要な情報が見られるサイト、好きな芸能人やスポーツ選手のサイト、知人のブログなど様々ですね。
そして、それらのサイトの多くは、きれいに見やすくまとめられているのではないでしょうか。
どんなに良い情報が書かれていても、文字や文章が読みにくかったり目的とする情報へのアクセスのしかたが分かりにくかったら、繰り返しそのサイトを訪ねてみようという気にはなかなかなりませんよね。

それでは見やすく分かりやすいサイトとは、どんなサイトでしょうか。
いろんな要素があると思いますが、そのうちの1つに「統一性のあるページデザイン」というのがあると思います。
そのサイトのどのページを開いても基本となるレイアウトやナビゲーションのしかたに統一性があると、視覚的にはもちろん、視覚に頼らない音声ガイドでの閲覧もしやすくなります。

Wordを使ったサイト作りでは、特に音声ガイドで作業をすると、この「統一性のあるページデザイン」にすることが難しかったのです。
どうせ作るのなら、見やすく分かりやすいサイトにしたい。
という訳で、Wordを使ったこの方法はあえなく却下、1からHTMLを勉強してサイト作りに臨むことにしました。
今から1年ちょっと前、2009年秋のことでした。

(後編へ続く)

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